愛を与えよう
「愛を与えよう」
大きく、気高い愛を
純正の、奥底に隠し持ったなる丈の愛を
与える事に不安を覚えてはならない
与えすぎる事は無く、
過剰なまでが丁度良い
自分の全てをさらけ出し、
何一つ着飾らない、
裸一つのみの愛を
愛を与えよう
気の済むまで
誰にでもわかる、
最大公約数的なシンプルな愛を
研ぎ澄まされた煌めきを
濃度の濃い、濾過された、
目地の細かい篩にかけられた、
決勝トーナメントに勝ち残った、
かけがえのない自分の欠片を
これでもかと、
集中豪雨の様に、
火事場で、
もう二度と戻れない過去を慈しむ様に、
未来の為でもなく、
今というこの瞬間の只中に。
愛を与えよう
気が済むまで
他人を愛すことが難しいなら
まず自分に愛を与えよう
そして育み、余裕を生み出し、
余剰をまず幾許か与えてみる。
与える事に慣れてみる。
怯える事なく。
1人でも良い。
調子が良ければ2人でも良い。
与える事が習慣となれば、
与える事に心の引っ掛かりが無くなる。
それは小さな事で良い。
ほんの些細な一歩を踏み出す勇気こそ
誰にも悟られる事は無い
他人はそんなに敏感では無い
だからこそ、
その行為を自分自身がしっかり褒めてあげるべきだ
よくやったと。
いつかは報われる日が来る。
けれど、
報われなくたって構わないでは無いか、
本当に正しい愛を差し出す事ができたなら、
自己満足で構わないでは無いか。
寧ろ、報われる事など望むべきで無いし、
報われようとする愛など、
利害の中のせせこましい関係性から抜け出せないのでは無いか
テイクを考えてはいけない。
ギブだけがあれば良い。
愛を与えよう
気の済むまで
無償の愛を差し出せる人間は尊い
自分を愛せる人間は尊い
醜さに気づき、蓋をせず、
自分の脆さに吐き倒そうとも、
逃げずに、ファイティングポーズを掲げる
愚直に打ち続けたストレートは
いつか現状を穿つ
愛を与えよう
気の済むまで
