手を繋いで文化は廻る

世界のあらゆる文化は須く全て繋がっている。それらは互いに手を取り合い、共存共栄し、高めあい、人々をより豊かにする。私は自身が得た文化の一端を伝えていく事でその一助となりたい。

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2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2064

「2064」 艶やかな銃声 おでんの大根を口に含むと 辛子のツンとした香りが 鼻腔の奥を抜けていく その最中に思い出す 第四隊の仲間には しばらく連絡をとっていない ちりじりになって 凡ゆる苦悩と反吐を共にして 蒟蒻をつつくと思い出す 手榴弾のピンを集め…

フラットに生きる

人間は平等である。 平等に不平等であるという点では、 須く人間は平等だ。 だから人間同士に、 優劣、上下、主従、 は無い。 役割が違うだけで、 人間という種族同士である以上、 どんな人間であろうと、 関係性は50:50である。 偉い人も、 可哀想な人も存…

【詩】縦

「縦」 半径一メートルの円筒 アクリル樹脂 に指紋を貼り付ける 真下は透けて底知れない 真上の奥には楕円が二つ並ぶ 声は届かず 一切の闇 二百もの黒が声を喰い 波に浮かぶ言葉は 私の中を溶かすように淫ら 指の感触は優しい 涙の伝うのは優しい 舌を動かし…

土方巽と舞踏について

吉岡実の「死児という絵」を読み終え、 戦後詩の歴史、当時の空気感、交友関係、 吉岡実の詩感についていろいろ知り、 そこで土方巽のことを知った。 吉岡実の詩については、 また別の機会に書くかもしれない。 日本にもこういった先鋭的な時代の流れがあっ…

【散文詩】記号

雑然と積まれた記号 一、二番目だけが目的の運河に流れ 悟った商人の嘆 慟哭は地べたに圧着する 霧がかる沙羅双樹の裏手で告白するメダカ 対面する雛菊はこともなげに直進し 或る方法論からすれば好手 テールランプの紅がU字を描く ホテルの屋上に根差した …

【超短編小説】或る虚言

夏場の30度を越す暑さは、三郎の体をジトついた体液で纏わせるには充分で、上体を起こす際に、敷布団が生命を得たかのように背中についてくるのが三郎の心をより億劫にさせた。 シャワーを浴びたかったが、直ぐに出なくてはならなかった。時計は14時を過ぎ、…