無限回廊
踵を返して
直走る
そんな妄想に囚われて
夢は夢のまま
ある境に
コンクリートの柱の先に
放り出される
名残惜しい夏
空中を飛来する無限が
私の郷愁に絡みつく
夕陽の棚の中に
デジャブが張り付いて
瞬く間に幾つかの
柔らかい感情に撫でられる
とても愛おしい束
狂ったようにはねる飛魚に
OPSをつける分析者
行方知れずのものには
半永久的LUSHを与えられる
機会は無として横たわり
管理社会にはじき出された管理社会の中で
実存への希求
忘我する盲に
なりたかったわけではないだろうと
OPSをつける分析者の談
肩肘にかする声
あおいあおいプラスチック
阿弗利加には人類の名残がある
空説なのか知らないが
要らない聞き齧りで後手の現実と
バスの後ろ姿を追いかける
ようなどうしようもない焦燥と右腕
その左側に位置するサボンの香り
笑いかける
屈託もなく
理想像の佇まいで
煩いくらいに
私は哀願するように聞く
バスの顔面は何色であったかと
「それはのっぺりした青を基調に
白との二色でいかにも大衆的
緑の中ではさも目立ち
だが嫌悪を抱かない
無関心にも似た
必要よりは下の
アンケート用紙の数はまばら」
言葉を糸間なく紡ぐ姿は
視ることによって実際し
現れた悲しみに
俺や僕も混ざり合って
私はなんだかもうやるせなくなり
甚だやるせなくなり
EV自動車の横で
踵を返して
直走る